「水毒」と食養

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体全体を潤す『水(津液)』

東洋医学では「水」のことを「津液」とも呼びます。

「水」とは、飲食物に含まれている水分を吸収して体に必要な形に変えて作られるもので、ただの水とは違います。

飲食物に含まれる水分は「脾」によって分けられ、さらに小腸・大腸で清らかなものと濁ったものに分けられ、清らかな水の成分が「水」となります。

ですから、「水」が不足しているからといったただ水を飲めば改善されるというものではありません。

「水」は腎の働きで、ちょうど水蒸気のようなものに変えられて肺まで持ち上げられます。

ここから肺の働きにより体中を潤し、膀胱から尿として排泄されます。

「水」と「血」の違いは、「血」は血管の外に出てしまうと働くことができませんが、「水(津液)」は血管の外にも自由に出入りし、機能します。

水分代謝が悪い「水毒」

「水(津液)」は、涙や唾液、多くの分泌液などの素であり、皮膚、毛髪、粘膜などを潤し、関節などの働きを滑らかにします。

しかし、血管外に出て行ける性質のため、皮膚や関節内に溜まり、むくみの原因になります。

体の中の余分なものと結びつきやすく、体が重い、だるい、胃腸がムカムカしやすいなどの症状となります。

この滞った「水」を、東洋医学では「水毒」または「痰湿」といい、関節リュウマチや喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、冷え性などの原因と考えます。

成人の体の60~70%が「水」なので、水分の代謝のバランスが崩れると影響は大きいのです。

特に日本は湿気の多い土地なので、水分代謝が悪くなる環境といえます。

西洋医学では摂取した水分は全て血管に入り、腎臓で尿となって排出されると考えられていますが、実際にはこのようにスムーズに水が流れるとは限らず、血管外の組織や腸管にたまる場合も多いのです。

「水毒」の代表的な症状は多汗、体が重い、むくみ、朝起きられない、乗り物酔いしやすい、むかつき、舌に白い苔がつく、梅雨時や雨の日に体調を崩すなどが見られます。

「水毒(痰湿)」におすすめの食材は次のとおりです。

水毒におすすめの食材

玄米、小豆、はと麦、そば、海藻、きのこ、たけのこ、ナス、アスパラガス、かぼちゃ、じゃがいも、こんにゃく、バナナ、ウーロン茶、プーア茶など。

水毒(痰湿)におすすめ薬膳食材

茯苓(ブクリョウ)、山査子(サンザシ)、緑豆(リョクトウ)、ヨクイニン(はと麦)、ハブ茶など。

水毒(痰湿)の人が控えたい食材

脂肪の多い肉類、ベーコン、卵黄、イクラなど魚卵類、高脂肪食品、味の濃いもの、炭酸飲料、冷たい飲料など。

 

※ 参照出展:【薬膳マイスター養成講座】テキスト

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