生命を支えるエネルギー『気』
「気」は目に見えないため、その働きがよく分かりにくいかもしれません。
例えば、「気が抜ける」と言います。行事や仕事などで目標が達成された時に、ほっと一段落して気が抜けて、風邪を引いてしまったり体の調子が悪くなった経験は、どなたにもあるはずです。
この不調が、いわば「気」が不足した状態で「気虚」というわけです。
「気」とは形のない働きをし、すべての原動力となる、いわば生命のエネルギーのようなもので、元気、勇気、気合、気落ちするなどの『気』です。
「気」は体中をめぐり、成長や代謝を促したり、病気の原因となるものが侵入しないように働いたり、体の保温、発汗、排尿や排泄などいろいろな働きをしています。
両親から与えられた、生まれたときから持っているものを「先天の気」、食べ物や環境で得られるものを「後天の気」といいますが、「気」がどのように作られていくのかそのメカニズムを紹介します。
食べたものを胃腸で消化吸収し、体の原動力となるエネルギーに変えます。この「気」は穀物からもらった「気」ということで、「穀気」と呼びます。
この「穀気」と、呼吸によって取り入れた「精気」と、生まれたときから持っている「先天の気」が合わさったものが、体の中を駆け巡っている「気」と考えられてます。
ですから、食で「穀気」を、ヨーガの呼吸で「精気」を補い、『気』の不足や滞りを防ぐこともできるわけです。
気が巡らない「気滞」
気がスムーズに流れない滞った状態を「気滞」といいます。
「気滞」の症状の特徴は、体が重く感じたり、張る感じがあります。
イライラしやすい、怒りっぽい、みぞおちや胸・脇腹が張ったりつかえたりする、のどに何かつかえた感じがするなどです。
生理前に胸やお腹が張ったり、イライラしやすくなる「月経前緊張症」も、「気滞」と深い関係がある症状です。
人間は、適度に動くことで機能が正常に保たれる仕組みになっているので、運動不足やストレスも気の巡りを悪くします。
「気滞」を改善するおすすめ食材は次のとおりです。
気滞におすすめの食材
発芽玄米、苦瓜、レバー、イカ、アサリ・シジミなど貝類、柑橘類や香り野菜(セロリ、せり、ゆず、ミントなど)、ジャスミン茶、ラベンダー茶など。
気滞におすすめ薬膳食材
百合根(ユリネ)、リュウガンの実、陳皮(チンピ)、蘇葉(ソヨウ)など。
気滞の人が控えたい食材
味の濃いもの。
イライラ、頭痛がある時は辛味。
ガスやゲップの多い時はイモ類、豆類など。
「気」は本来、下におりるものですが、逆になるとゲップや吐き気、咳などが起こり、これを『気逆』と呼びます。
生命エネルギーの源である「気」の量が不足したり滞ったりすると「血」や「水」の異常につながりやすいので、食事と呼吸で補い、「気」の消耗を防ぎましょう。
また、日常生活では楽しく笑って過ごしてストレスを解消し「気」の働きを停滞させないよう心がけましょう。
※ 参照出展:【薬膳マイスター養成講座】テキスト
お電話ありがとうございます、
大平台げんき整体でございます。